ドイツの薪作りは、エネルギーの地産地消が目的
また、持続的な薪利用の為、法律や条例が定められ、基準をみたした薪が販売されている。
地域の広葉樹林の計画的伐採や流通単位の統一。乾燥度合いによる価格の設定が定められており、法律や条例に違反した薪は流通しない。
ドイツでも薪作りは、沢山の労力を必要とする仕事ですから、コストが高くなります、高価な薪では燃料としての価値がありませんので、コストを抑えるため、運搬距離を短くし、高価な機械を使わず、燃料の消費量を軽減するため、良質な薪を作る必要があるのです。地域の良質な広葉樹を伐採し、地域の労働力を活用して、毎年2年先に消費できる、完全に乾燥させた良質な薪を作るのです。

薪を使用する事で、CO2が削減できることは良く知られていますが、燃料を地産地消することで、雇用が生み出され、外に燃料代が出ていかなくなり、地域で動くお金が増えます。つまり、循環型の消費形態が出来上がるのです。また、良く乾燥した薪は、気化熱の発生が無いため、ストーブでの燃焼効率も良くなり、消費量が減少することを、多くの事例が証明しています。
再生可能エネルギーの使用において、私達はドイツを手本にしたいと考えています。
日本の薪事情
近年、薪ストーブを使用する家庭が増えているが、薪を持続的に利活用するシステムは日本にまだありません

日本では、建築廃材から、選定した庭木の枝まで、薪ストーブで燃やせるとして、ストーブが売られているが
これらの燃料は持続的に活用できる資源とは言えず、建築廃材には塗料や、接着剤が含まれ燃やすことで、重金属などの有害な物質を空中に放出する結果となります。未乾燥の選定樹木は、燃えにくいので、多くの煙を排出するため、住宅地では使えず、結果薪ストーブが使用不可能になります(完全乾燥の薪では、煙の排出は一時的で済む)
また、薪としての販売単位が定められておらず、単位の統一が無いため、価格の比較が困難である事などから、価格が安いだけの燃料が販売されている。

私達の薪作り・薪販売方法
私達の薪作りは、地域の里山から良質な薪とするべく伐り出した、コナラやミズナラ、山桜に限定し、時間をかけて十分乾燥させた薪を生産する事です。

林業を生業としている利点をいかし、良質な薪を作る基準と、手順を標準化しました。
熱エネルギーとしての薪、効率的な活用をするための基準が定められていません。未乾燥の薪が流通していたり、建築廃材の薪が流通しております。未乾燥の薪は価格が安いのですが、暖房としての熱量を確保するためには、30%多く薪を使うことを知っておくべきです。また、建築廃材には薬品や塗料乾燥材の附着があり、焼却灰には、重金属が含まれるため、灰は、産業廃棄物として、お金を出して処分しなければならないことも、知っておく必要があります。
私達は、良質で、無駄のない木質バイオマスを持続的に供給するため。伐採した木の枝も太さ8センチ以上は薪にします。完全に乾燥させるため、細いものは小口に割って、焚き付け等に加工、剥がれた表皮も焚き付けとして販売する薪に付属させます。端材は2年乾燥させて、ペレットストーブと同じ感覚でストーブで燃やせるように加工します。

このような短尺の端材が沢山できます。
この様な端材も、有能な薪となります。

地表の湿気を吸収しない乾燥方法
乾燥方法も、ドイツ式+古来から受け継がれた方法です。40㌢や30㌢にカットしたものを風雨に晒してから割ることで割りやすくなり、乾燥精度も高まり労力が軽減されます。(コスト低減)
薪割りは、コスト低減の為、高粉砕力の高額な薪割り機は使いません。出来る限り化石燃料の消費を減らせる
小型で単純高性能な薪割り機を使用しています。割った薪も風雨に晒し、乾燥を促してから、天日乾燥します相互に風が通るよう棚状に積み上げます。平均に乾燥するよう、天地返しも行います。
良質な薪は、乾燥度合いだけではありません。燃やした後に有害な物質が残らないことも基準です。伐採林の放射能検査、玉切時の残留放射能検査を行います。乾燥度合いの確認は、水分量計を使い、含水分量を適時管理しています。
住宅地などでは、長期間大量に薪を保管するスペースの確保も課題です。この様な事から、適時に低運賃で、小口で配達するシステムも始めました。
私達は、再生可能なエネルギーとしての薪の生産を行う手段として、古来からの薪作りの方法と、ドイツの薪生産販売の基準を参考にしております。広葉樹が自力再生可能な厳冬期に伐採し、搬送距離を短縮、小規模で極力化石燃料の消費を抑えた動力での生産をして、コストを削減しての良質な薪作りを目指すことで、地域の活性を図りたいと考えております。
この様な事から、遠方までの薪の販売は出来かねますが、私たちと同じ考えで薪を生産販売する林業家が増えてくれることを望んでいます。
燃料としての薪について、環境省

薪ストーブを有効に使うためのガイドです。環境省
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